一年限定ニートの日記

ユダヤ人には7年に1年仕事を休む「安息年」があるらしい。面白そうなのでやってみた話。

「なぜムーディは用いられたのか」R.A.トーレイ著(小牧者出版)

昔々、高校受験の面接で「尊敬する人」を「諸葛孔明」と答えた記憶があります。本当に尊敬していたというより、単純にスゴイ人をあまり知らなかったと言う…

いまだに無教養時代が続いているけど、備忘録を兼ねて伝記の要約と感想。

 

D.L.ムーディとは?

D.L.ムーディは1800年代に活躍したキリスト教の牧師先生。生涯に4000万人以上とも言われる人々に対して聖書の話をし、大きなムーブメントを巻き起こしました。

また、ノースフィールドにいくつかの学校を建て、1889年には「ムーディ聖書学院」を設立しました。教育関連においても多大な影響を与えた人です。

アメリカでは超有名人みたいですが、日本に住んでいるとあまり馴染みがない気がしますね。

 

「なぜムーディは用いられたのか」R.A.トーレイ著(小牧者出版)

僕がこの本を手に取った大きな理由は、薄いからです。80p足らずのペラペラです。

絶版になっていますが、ネットで中古が出回ることがあるのでお手に取ってみたらよいかと思います。

本書では、長期間にムーディと仕事をしていたR.A.トーレイが、7章に渡って彼の凄さを説明しています。少し多いのと、キリスト教的な背景がないと理解しにくいので、3つに再構築して紹介します。(結果、本書以外の出展から補足が入ってます…汗)

 

ムーディの凄さ① むちゃくちゃ低学歴な人

社会に対して大きな影響力を与えるには、高等教育が必要であると考える人が多いですし、私も反対しないです。でも、ムーディは世界的に影響を与えましたが、超低学歴者でした。いかんせん、小学校も卒業できなかったからです。

彼は9人兄弟でしたが、4歳のときに父親を亡くし、正式な教育は受けられませんでした。牧師先生として講壇に立つには、神学校を卒業していることが多いのですが、結局彼は神学校を卒業しませんでした。それだけでなく、英語の文法も不完全で、ケンブリッジ大学で講演をしたときには、学生から抗議があったとの逸話もあります。

学歴や、流暢なプレゼンができないことにコンプレックスを持つ人がいますし、その類のことで人を判定してしまうことがあります。でも、彼のことを読んでいると、そういう偏見はやめとこうと思えました。目の前にいる人は、将来の大リーダーかもしれないので(^ ^;)

 

ムーディの凄さ② 圧倒的な信念を持った人

彼は全くぶれない信念を持っていました。聖書の語る神は、ムーディを、そして人々を本当に愛しており、その神に不可能はない、ということです。その信念が彼をあらゆる行動に駆り立てました。

神のことを知りたい一心で、毎朝4時に起きて聖書を読んでいたそうです。そして、事あるごとに祈っていました。学校が大きな批判にさらされたとき、彼は祈った上でこう言ったそうです。「トーレイ、人には好きなだけ批判させておこうじゃないか。我々はただ、神様が与えてくださった働きを忠実にやるまでさ。すべての困難は神様におゆだねして、批判にも答えていただくことにしよう」

「神に不可能はない」という言葉を言っていただけではなく、本当に信じて行動していたのがムーディという人でした。

信念を持つ人は強いなぁと改めて思います。信念と行動が合致したとき、尋常じゃない力を発揮するんですね。彼の「神には不可能はない」という信念は、「信仰」とも置き換えられそうです。

 

ムーディの凄さ③ 自然体で謙遜な人

大きな影響力を持つと人を謙遜さを保つのが難しくなります。僕は数人のグループでの発言力が増しただけでも調子に乗ってしまうので、数百万人規模で影響を与えるようになったらとんでもないことになりそうです。

彼には座右の銘がありました。

「信仰は最も多くを獲得し、愛は最もよく働き、謙遜は最もよい状態に保つ」

どんなときでも自分よりも周りの人が輝くことを優先しました。嫌味ではなく、他の登壇者の方が優れていると考えており、そのように敬意を持って接ししていました。心からそう思っていることは、金銭に全く執着しないという形でも表れていました。

自分の資金で讃美歌集を出版したときも、その印税(当時で100万ドル)に触れることさえ拒んだといいます。周りは「あなたのお金なのです」と勧めたそうですが。

謙遜を地で行く人は魅力的に思います。自分ではなく周りを立てようとする人の近くにはいたいと思うのは自然ですし(笑)

 

 

他にも逸話がたくさんあるようなので、いろいろ探してみていただければと思います。学のないムーディを世界的なインフルエンサーに駆り立てた聖書。やばいすね。

 

<本の目次>

「なぜムーディは用いられたのか」R.A.トーレイ著(小牧者出版)

 第1章:神様はなぜD.L.ムーディを用いられたのか

 第2章:完全に明け渡した人

 第3章:祈りの人

 第4章:深く実践的な聖書研究家

 第5章:謙遜な人

 第6章:金銭に執着しない人

 第7章: 救霊への熱い思いを持った人

 第8章:いと高き所から、確かに力を与えられた人